ご挨拶

杉山芙沙子の写真1

文部科学省が行っている「平成22年度体力・運動能力調査」によりますと、子どもの体力・運動能力は水準が高かった昭和60年ごろをピークに年々減少傾向にあり、能力の高い子どもと低い子どもとの格差が広がっています。一方、体格(平均身長や平均体重)については、上昇傾向にあることも報告されているにも関わらず、体力や運動能力は減少しているこのような日本の今の子ども達の状況を私はとても危惧しています。

最近、子ども達に落ち着きがない、集中力が無い、朝から眠そう、覇気が無い、逆切れする、暴走するいじめなど、どうも様子がおかしいと言われています。このことは<体力の低下>が著しいと言われていることと深く関係があるという研究結果も報告されており、そこで体力について考えてみました。
狭義には【体力】というと【身体体力】=筋力、柔軟性、スピードなど主に身体を動かすこと自体の能力を言いますが、スポーツをすることによって、【精神体力】=忍耐力、挑戦力や協調性など心の体力、対社会への適応力や、そして特に【知的体力】=思考力、表現力、判断力などなど、単に知識に留まらない生きるために必要な力を意味することが忘れられてしまっているのです。本来、スポーツをすることによってこの【3つの体力】をバランスよく備え、社会環境に対応していくことできる「人間力=生きる力」を備えて成長できる環境が少なくなっていることを心配しています。

杉山芙沙子の写真2

私は2000年から2009年の9年間、プロテニスププレーヤーであった杉山愛のコーチを務め、現在、神奈川県茅ケ崎市では総合型地域スポーツクラブにおいて、ジュニア向け(6歳?18歳)テニスアカデミーの校長を務めており、「スポーツ」と「子ども」と密に接する生活を送っています。このアカデミーにおいて最も大切にしている理念、それは【スポーツは人間力を上げるツールであり、スポーツを通して、「感謝」「思いやり」「自分を表現できる」など社会環境に適応できる「生きる力」をもった人になる】ということです。
杉山愛のツアーでの時間を通して最も気付かされたポイントは「テニスは自分探しのツールであり、自分磨きのツールである」ことでした。いい時も辛い時も乗り越え、継続してきた経験がこのような結論をださせてくれました。

このような経験を踏まえ、スポーツをすることの意味は決して技術レベルの高い選手を作ることが目的ではなく、スポーツをすることによってより高い人間力を兼ね添えた人を作るツールになりえることを知っていただき、一人でも多くの子ども達にスポーツをする環境(ハード×ソフト)を作っていきたいと強く思っています。
スポーツを通じて「生きる力」を持った子ども達が次世代を担う大人へと成長していくと信じています。

一般社団法人次世代SMILE協会 代表理事 杉山芙沙子   一般社団法人次世代SMILE協会

  • 杉山 芙沙子(すぎやま ふさこ)
  • パーム・インターナショナル・テニス・アカデミー 校長
    一般社団法人次世代SMILE協会 代表理事
    渋谷スポーツ共育プラザ&ラボ すぽっと 代表
    順天堂大学 女性スポーツ研究センター 医学博士

聖心女子大学文学部心理学科卒業
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(平田竹男研究室)修了
順天堂大学大学院医学研究科医学専攻博士課程(小林弘幸研究室)修了

1998年茅ケ崎市にパーム・インターナショナル・テニス・アカデミーを設立。
2001年より杉山愛をサポートするチーム「チーム愛」のディレクター兼コーチを務める。
2004年文科省スポーツ功労賞受賞。
2010年4月、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(平田竹男研究室)に入学。
日本のトップアスリート(杉山愛、錦織圭、石川遼、宮里藍ら)の両親の子育てに着目した論文を執筆、優秀論文賞に選ばれる。
2011年3月、同大学院修了。
2013年4月、スポーツ産業学会にて奨励賞受賞。

2014年6月、一般社団法人次世代SMILE協会を設立、代表理事に就任。
トップアスリートのコーチング及び彼らとの関わりから得られた「その人の持つ力を最大限に引き出す」ことを「Dual Goal=スキル×人」というスローガンを元に活動。
神経系が最も発達する幼児期に楽しくスポーツをすることの重要性を説き、幼児向け運動プログラムである、スマイルシップスポーツプログラムを開発。プログラムの啓蒙とその指導者の人材育成を実施。

2016年9月、ジャパンアスリートペアレンツアカデミー(JAPA)を展開、代表に就任。
トップアスリートを育てた保護者(アスリートペアレンツ)の子育ての知識と知恵を体系立てたセミナーコンテンツを提供。「子供をどうサポートしていけばよいのか」という悩みを持つ全ての保護者や指導者に対して、親としてのあり方や家庭で活かせる専門知識を学べる場を創設している。

2017年4月、渋谷スポーツ共育プラザ&ラボ すぽっと 代表に就任。
渋谷区の委託事業として、スポーツを通して子供と保護者が共に学び、共に成長する場所を展開、スポーツを通した新たな子育てを全国へ向けて発信している。

【著書】
『一流選手の親はどこが違うのか』
元プロテニスプレーヤー杉山愛の母親である杉山芙沙子が、石川遼、宮里藍、錦織圭の親たちに聞いた「子育ての黄金法則」。 石川遼、宮里藍、錦織圭。日本を代表するアスリートの彼らは、そのプレーだけでなく、人間性の素晴らしさでも人々を魅了する存在となっている。 彼らの親は、いったいどんな方法で「あんないい子」を育てたのか? そこに普遍的な法則はあるのか? 母としてコーチとして杉山愛を世界的テニスプレーヤー(世界シングルスランキング8位、世界ダブルスランキング1位)に育てた杉山が、トップアスリートの親たちと共に探る「人間力育成」の極意。 スポーツという枠にとらわれない普遍的な教育本として好評。

『杉山式スポーツ子育て』
世界で活躍するトップアスリートの子育てにはある共通項があった。 本書は、実の娘であり、コーチとして指導したプロテニスプレーヤー杉山愛引退後、早稲田大学大学院・スポーツ科学研究科にすすんだ杉山初の育児本。 「トップアスリートたちは、どうしてあんなに高い人間力とすてきなオーラを持っているのだろう」という疑問は、「人間力を高めるツールとしてのスポーツ」の効能をまとめる原動力に。 日本のトップアスリート(杉山愛、錦織圭、石川遼、宮里藍ら)の両親の子育てに着目した「優秀論文賞」をベースに、「子どもは社会からの預かりもの」という考えの杉山自身の子育て論を惜しみなくまとめている。 子どもの可能性(伸びしろ)は5歳で8割決まる。 そのために、いま両親がすべき10の習慣とは。 本書は「トップアスリートを育成するための本」ではなく、スポーツと「人間力」の関係に着目し、 スポーツと子育ての上手な付き合い方と効果がしっかりとわかる内容。 子育てに悩む、お父さん・お母さんにぜひ読んで頂きたい一冊。

『コラボレーション -母と娘の世界挑戦-』
テニス界で世界の頂点をめざす母と娘の戦い。17歳でプロに転向して以来、常に世界の第一線で活躍してきた杉山愛。過酷なツアーの中で人間的にも技術的にもその進化をサポートしてきたのが母・芙沙子だった。二人がつづる信頼と努力の軌跡。

【過去の出演テレビ・ラジオ】
NHK「ほっとモーニング」、フジテレビ「ジャンクスポーツ」、フジテレビ「エチカの鏡」、TBS「英才教育TV」、NHK横浜「FMサウンドクルーズ」、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」、bayFM「TOKYO GAS Curious HAMAJI」、TOKYOFM「JA presents おふたりさま」、など

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